ウィーン愛憎―ヨーロッパ精神との格闘
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個人的体験でもある? |
実際ドイツで同じく研究の徒として滞在していた者として、
肌に感じた欧州中華思想のようなものが、この本でも感じる
ことはできた。しかしながら
この本にある筆者の体験のうち半分近くはむしろ筆者の側に
初動的問題があるようにも感じられる。ウィーン行きの途上での
大ポカであったり、奥様・ご家族のご不幸であったり、
滞在4年にして電話ボックスに大事な本を入れたカバンを忘れる
など、なぜこうも次々とトラブルに巻き込まれるのか、
正直理解できなかった。
このような事柄は「自分で自分を(ないし家族を)守る」という
欧州では基本の「き」であり、申し訳ないが筆者はそれを理解・
体得できていたとは思えない。それを踏まえて考えたとき、手放しで
この本の主張をすべて受け入れることはできなかった。
もちろん筆者も、この本にある一種の「戦い」をむしろ愛していたとも
感じられるが(ゆえに愛憎、なのであろう)、表層的に読者が
「だから日本人はもっと主張しないとだめなんだ」的に極論に
走るべきではなく、是々非々で自立した対人・対社会関係を
確立しなければならない。それができて初めて異文化にある人々と
独立した人格で付き合うことができると感じる。
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欧州に長期滞在する人に |
部屋を借りる予定がある人には参考になる書です。欧州の建物は歴史のあるものが多い反面、
お湯が出ない、隙間風が入るなどそれぞれの難をかかえている場合が多く、それを解決するためには、
やはり大家さんと対峙するしかない。その時、欧州人というものがどういう気質の持ち主であるかの認識があれば、
解決方法もみえてくるかもしれません。
中島さんは、我慢して屈辱を味わうより喧嘩することを選び、そのやり方と結果がどうなるかも正直に書いています。
さらに一億総中流意識と言われる現代日本人にはつかみにくい、ヨーロッパの根底にあるヒエラルキー意識が、
現地に住む日本人の間にもできあがってしまうものであることも、(書きにくいことであったと思いますが)
はっきり書かれています。
「君のように勝手にウィーンに来る者が一番こまる」
そう伝える眼差しを日本領事館の職員からなげられてから始まる、著者のウィーン愛憎の4年間。
日本の外にどんな国があるのか、貪欲に知ってみようという人にお勧めです。
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悲しい本です |
私も含めて海外在留経験のある日本人で、この本を読んで絶望を感じ、気恥ずかしくならないものは果たしてどの程度いるのだろうか。ほとんどが、この本にもでてくる日本人学校のある先生と変わるところがないのではないだろうか?個人主義なるものが、どれほどの意志とあくの強さ、そして精神的なスタミナを必要とするものかは、おそらくほとんどの日本人には理解不能でしょう。その現実に真正面からぶつかった著者は、書かずにはいられなかったのでしょう。自己を保って日本人として生きていくためには、どれほど”日本人”たることを止めなければいけないかのパラドックスを。この本や”アーロン収容所”が隠れた共感を呼び起こさない時代というのは果たしてくるのですかね。
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ウィーンに行く前に |
民族、人種によって物事の価値観が違うことは承知していましたが、この本を読むまでヨーロッパ精神とはかくも頑固なものだとは知りませんでした。それも長い歴史の上にあるものだと思えば納得もできます。美しい歴史的建造物、ブランドショッピング゙だけを目的として行くのもいいですが、ヨーロッパを訪れる前に、現地で生活したことのある日本人の話を読まれることをお薦めします。



